夜の机で頭を抱えながら、片手に持ったスマホとノートパソコンの画面を見比べているボスと、横で静かに座るクロさん。「「ドメイン」「DNS」でパンクしながら、その日のうちに公開——かかったのは年1,500円と1日だけ」

第2話(後編): 「ドメイン」「DNS」の三連発でパンクしながら、その日のうちに公開した話

AIの始め方
目次
  1. 「ドメイン」「DNS」の三連発でパンクする
  2. いちばん緊張したのは、つながるのを待つ時間
  3. 調子に乗って見た目をいじる
  4. かかったお金は、年1,500円だけ
  5. 熱の置き場所が、できました

前編では、フォルダを2つに分けるところから、ブログの土台を組み、記事より先に固定ページを3枚つくるところまでを書きました。

後編は、この日いちばん頭を抱えた場面からです。

「ドメイン」「DNS」の三連発でパンクする

ここまでは順調でした。GitHubというサービスに上げると、無料でネット上に公開できます。ただ、最初にもらえるURLは、やたら長くて覚えられない無料の住所です。

そこでクロさんに「ちゃんとした自分の住所(独自ドメイン)にしませんか」と勧められました。ここからが本番です。

「ドメイン」「DNS」「レジストラ」。知らない言葉が立て続けに出てきて、頭が一瞬フリーズしました。正直、一人だったらこの時点でそっとパソコンを閉じていたと思います。

ここで効いたのが、クロさんとのやりとりの仕方でした。とにかく、間違ったことをするのが怖い。だから一手ごとに、いちいち確認しながら進めました。

新しい画面が出るたびに不安になって、その画面をスクリーンショットに撮り、クロさんに見せて聞く。これを一画面ずつ、ひたすら繰り返しました。

このページが開いたんだけど、どこを押したらいい?

そのスクショですね。右上の「設定」から進んでください。

次のページに行ったよ。ここには何を打ち込むの?

その欄に、この数字をそのまま入れてください。

だいたいこんな調子です。専門用語で説明されても分からないので、「今どこを押すか」「何を打ち込むか」だけを、一つずつ確かめていく。分かっているから聞くのではなく、間違えるのが怖いから、念のため全部聞く。そんな進め方でした。

分からないまま一画面ずつ聞いて進めた様子の図。上に初めて聞いた3つの言葉「ドメイン」「DNS」「レジストラ」。下にやりとりが4つ。困った顔のボスが「このページが開いたんだけど、どこを押したらいい?」と聞き、クロさんが「そのスクショですね。右上の『設定』から進んでください」と答える。ボスが「次のページに行ったよ。ここには何を打ち込むの?」と聞き、クロさんが「その欄に、この数字をそのまま入れてください」と答える。いちばん下に、分かっているから聞くのではなく間違えるのが怖いから念のため全部聞く、と書かれている

ムームードメインの管理画面。左側にメニューが並び、中央にDNSのカスタム設定のページが表示されている
あの日、実際にクロさんへ送ったスクショです。どこを押せばいいのか、この時点ではまったく分かっていません。(自分のIDの部分は黒く塗っています)

そうやって少しずつ、ムームードメインというところで ai-yokubari.com を取得し、DNSの設定という画面で、言われるがままに数字の羅列(Aレコードというものを4つと、wwwの設定)を打ち込んでいきました。

自分が今、何をしているのかは、正直あまり分かっていませんでした。

DNSの設定画面。種別Aの行が4つ並び、それぞれに185で始まるIPアドレスが入力されている。一番下はwwwのCNAME設定
これが、その打ち込んだ数字の羅列です。上の4つがAレコード、一番下がwwwの設定。意味は今もよく分かっていません。(一番下の欄は、自分の情報なので塗っています)

正直に白状すると、このDNSというのが何をしているのか、今でもちゃんとは説明できません。ただ、「この住所に来たら、このサイトを見せてね」という案内係のようなものらしい、というところまでは分かりました。

いちばん緊張したのは、つながるのを待つ時間

一番緊張したのは、設定が反映されるのを待つ時間です。ネットの住所は、変更してもすぐには行き渡らず、少し待つ必要があるのだそうです。

「本当につながるのか?」「打ち込んだ数字、どこか間違ってないか?」と、何度もページを開き直しました。しばらくして、自分のドメインでブログが表示されたときは、思わずガッツポーズが出ました。

つながるのを待つ時間を前後で比べた図。待っているあいだは青ざめた顔で「本当につながるのか?」「数字、どこか間違ってないか?」と何度もページを開き直した。表示された瞬間はガッツポーズで、自分のドメインでブログが出た。下に、DNSが何をしているのかは今でも説明できないが「この住所に来たら、このサイトを見せてね」という案内係のようなものというところまでは分かった、と書かれている

調子に乗って見た目をいじる

つながってしまえば、あとはお調子者の本領発揮です。見出しは丸っこいゴシック、区切り線は工事現場の安全テープ風。飼い猫のジンとニック、それに自分をモデルにしたイラストも入れました。

ちなみに自分のイラストは、お願いして少し可愛めに——正直に言うと、だいぶ盛り気味に可愛く仕上げてもらいました。実物との差は、そっと見逃してください。背景にはうっすら肉球を散らしています。

中身の記事がまだほとんどないのに、見た目だけは一丁前になりました。順番が逆な気もしましたが、テンションが上がって手が止まらなかったので良しとします。

つながった途端に見た目をいじり始めた4つを並べた図。見出しは丸っこいゴシック、区切り線は工事現場の安全テープ風(黄色と黒の斜め縞)、飼い猫のジンとニックと自分のイラスト、背景にうっすら肉球。下にガッツポーズのボスと、自分のイラストはお願いしてだいぶ盛り気味に可愛く仕上げてもらった、実物との差はそっと見逃してほしい、と書かれている

かかったお金は、年1,500円だけ

かかったお金は、ドメイン代のおよそ年1,500円だけ。サーバー代はかかっていません。かかった時間は、実質一日です。

かかったお金は約1,500円、サーバー代は0円、かかった時間は実質1日。できたことと、DNSの意味など今も分かっていないことを並べた図

できるようになったこと、まだ分かっていないこと、両方あります。サイトを組んで公開するところまでは、クロさんと一緒ならたどり着けました。

一方で、DNSの中身は今も説明できないし、言われた通りに打ち込んだだけの部分もたくさんあります。それでも、動くものが目の前にできてしまった。

この「わけは分からないけど、できた」という感覚が、非ITのおじさんには一番効きました。

前回も書きましたが、丸ごと任せるのでも、全部自分でやるのでもなく、二人三脚くらいの距離感が、今の僕にはちょうどいいようです。

案内してもらいながら、要所は自分で「これでいいのか?」と聞き返す。その繰り返しで、気づいたら一日でここまで来ていました。

AIとの距離感を整理した図。見出しは「二人三脚くらいの距離感」、副題は「丸ごと任せるのでも、全部自分でやるのでもなく。」。上に取り消し線つきで「丸ごと任せる」「全部自分でやる」の2つ。下に「今の僕にはちょうどいいようです」として、指し示すクロさんと一緒に「案内してもらいながら、」、指差すボスと一緒に「要所は自分で『これでいいのか?』と聞き返す。」。いちばん下に、その繰り返しで、気づいたら一日でここまで来ていました、と書かれている

熱の置き場所が、できました

こうして、熱の置き場所ができました。土台ができたということは、ここからが本当の実験です。

じつは今、このブログとは別の場所で、もう一つ実験を始めようとしています。AIを自分専用のダイエットトレーナーにする、という企画です。

そちらの話は、また近いうちに別のシリーズでお届けします。(追記: AI×運動しないダイエットとして始まりました)

次回もまた、四苦八苦する姿をそのまま書くつもりです。嫌な予感はしますが、たぶん大丈夫です。

次回へ続く

第3話(前編)ゲームでコインを増やす仕組みを作ろうとしたら、データ集めで心が折れかけた話